人材紹介と求人広告の違い|どちらを使うべきか比較
中途採用を始める際、「求人広告に出すべきか、人材紹介を利用すべきか」で迷うケースは少なくありません。過去に求人広告で思うような応募が集まらなかった経験があれば、「また同じ結果になるのでは」と不安を感じるのも当然です。
この記事では、人材紹介と求人広告の違いを整理しています。「採用の確度を上げたい」「工数を削減したい」と考えている企業様が、どちらの手法を軸にすべきか判断する際の参考になれば幸いです。
人材紹介と求人広告の基本的な仕組みの違い
求人広告とは? 仕組みと特徴
求人広告とは、企業が求人サイトや転職サイトなどの媒体に求人情報を掲載し、求職者からの応募を待つ仕組みになっています。
費用は掲載時点で発生し、掲載期間や枠のグレードに応じて料金が決まるのが一般的です。掲載課金型の求人広告では採用に至らなかった場合でも、掲載費用が返金されることは基本的にありません。また、応募者対応や書類選考、面接日程の調整といった採用プロセスの大半は、企業側が自ら対応する必要があります。
人材紹介とは? 仕組みと特徴
人材紹介とは、紹介会社が保有するデータベースやネットワークを活用し、企業の求人要件に合う人材を個別に紹介する仕組みです。多くの場合、採用が決定した時点で紹介会社に成功報酬(理論年収の一定割合など)を支払う「成功報酬型」の料金体系が採られています。候補者の推薦、面接日程の調整、条件交渉といったやり取りは、エージェント(キャリアアドバイザー)が間に入って対応しています。
関係者の構図の違い
求人広告では、企業と求職者が直接やり取りを行います。応募者からの問い合わせや条件のすり合わせも、基本的には企業側が対応します。一方、人材紹介では「企業 ⇔ 紹介会社 ⇔ 求職者」という三者構図になり、企業は主に紹介会社の担当者とやり取りしながら採用を進めます。この構図の違いが、採用にかかる「工数」と「やり取りの質」に大きく影響します。
費用や工数、スピードなど5つの観点で比較
比較① 費用構造と1人あたりの採用単価
求人広告は「掲載課金型」が多く、掲載期間に応じた費用があらかじめ決まっています。近年は、応募課金や採用課金など成果報酬型の求人媒体も増えていますが、依然として掲載課金型が代表的な料金形態です。 複数名を採用できれば1人あたりの単価は下がりやすい反面、採用に至らなかった場合でも費用は発生します。人材紹介は「成功報酬型」が主流で、1人採用するごとに年収の一定割合を支払う仕組みです。採用できなければ基本的に費用は発生しないため、リスクを抑えやすい点はメリットです。
比較② 母集団の量と質
求人広告は多くの求職者の目に触れるため、短期間で多くの応募を集めやすい手法です。ただし、要件に合わない応募も一定数含まれるため、書類選考の負荷が高くなりがちです。人材紹介では、紹介会社が求職者の経歴や希望条件を事前に確認したうえで推薦するため、マッチング精度の高い候補者が集まりやすい傾向があります。一方で、その精度は担当エージェントのスキルや紹介会社の保有データベースに左右されるため、相性が合わなければ的外れな候補者が続くこともあります。また、転職サイトにしか登録していない求職者など、紹介会社のネットワーク外にいる層にはリーチできないという制約もあります。
比較③ 採用担当者にかかる工数
求人広告では、求人票の作成から応募者への返信、書類選考、面接の日程調整まで、多くのステップを社内で対応する必要があります。他の業務と兼務している人事担当者にとっては、大きな負担になりかねません。人材紹介であれば、スクリーニングや日程調整といった事務的な作業を紹介会社に任せられるため、企業側は要件定義と面接・判断に集中しやすくなります。
比較④ スピード感と採用の緊急度
求人広告は、原稿さえ準備できれば比較的短期間で掲載を開始でき、Indeedなど一部の媒体では掲載当日から応募が届くこともあります。「今すぐ広く応募を集めたい」という場面での即効性は、求人広告の大きな強みです。ただし、自社の要件に合う人材がいつ応募してくるかはコントロールしにくく、タイミングに左右される側面があります。人材紹介は、紹介会社のデータベースや登録者の状況次第では、要件を共有した直後に候補者が見つかることもありますが、職種や地域によっては候補者の探索に時間がかかるケースもあり、スピードの読みにくさは双方に共通する課題といえます。
比較⑤ 採用ノウハウの蓄積
求人広告を自社で運用する場合、応募数や経路、原稿の反応率、選考の歩留まりなどを自ら検証することになります。その過程で、「どのような訴求が響くのか」「どの媒体が自社と相性が良いのか」といったノウハウが社内に蓄積されていきます。一方、人材紹介は外部に委託するからこそ工数を削減できる反面、採用の運用ノウハウが社内に残りにくいという側面があります。ただし、紹介会社の担当者から採用市場の相場観や他社の採用動向、候補者が重視するポイントといった情報を得られるため、自社だけでは気づきにくい知見が手に入るというメリットもあります。
一目でわかる比較表
| 項目 | 求人広告 | 人材紹介 |
|---|---|---|
| 費用構造 | 掲載課金型。採用の有無に関わらず費用が発生する | 成功報酬型。採用が決定した場合のみ費用が発生する |
| 1人あたり単価 | 複数名採用で単価を抑えやすい | 1名ごとの単価は高くなりやすい |
| 応募者の傾向 | 応募数は集まりやすいが、要件に合わない応募も含まれやすい | 推薦数は限られるが、マッチング精度は高い傾向 |
| 工数 | 原稿作成から選考・日程調整まで自社で対応 | 要件定義・面接・判断に集中しやすい |
| スピード感 | 掲載開始は早いが、自社に合う人材が来るかは読みにくい | データベース次第で早期に候補者が出ることもある |
| ノウハウ蓄積 | 社内に蓄積されやすい | 外部依存度が高く、社内への蓄積は限定的 |
自社の状況別:どちらを使うべきか
求人広告が向いているケース
以下のような状況であれば、まずは求人広告を軸に検討するのが現実的です。
- 一般職やポテンシャル採用など、対象となる候補者層が比較的多いポジションを複数名採用したい場合
- 採用予算に限りがあるが、ある程度の期間をかけて母集団を集められる場合
- 社内に採用経験者がいて、応募者対応やスカウト、選考設計に十分な時間を割ける場合
このようなケースでは、掲載費用を抑えながら複数名の採用を目指せるため、求人広告の方が費用対効果を出しやすいことがあります。
人材紹介が向いているケース
一方で、以下のような状況では人材紹介の方が適していることが多いです。
- 専門性の高い職種やマネージャー以上のポジションなど、候補者層自体が限られる採用
- 採用に割ける人員や時間が限られており、応募者対応にまで手が回らない
- 過去に求人広告を出したが、応募がほとんど集まらなかった、あるいはミスマッチが多かった経験がある
こうしたケースでは、応募数を広く集めるよりも、要件に合った候補者にピンポイントで会うことの方が重要です。
人材紹介は「採用の確度を上げたい」「社内の工数を減らしたい」という企業に適した手法といえます。
両方を組み合わせるべきケース
採用人数が多く、ポジションごとに難易度が異なる場合は、「求人広告+人材紹介」の併用が有効です。
たとえば、一般職や若手層は求人広告で母集団を広く集めつつ、マネージャーや専門職は人材紹介で候補者を絞り込むといった使い分けが考えられます。チャネルを分散させることで、一方がうまくいかなかった場合のリスクを軽減できます。
よくある勘違いと、人材紹介を活かすコツ
「人材紹介は高いから使わない」は正しいか?
人材紹介の費用は、1人あたりの金額だけを見ると高く感じられます。
しかし、「採用できなかった場合のコスト」や「ミスマッチによる早期離職のコスト」も含めて考える必要があります。
求人広告で掲載を何度も繰り返しても採用に至らないケースや、入社後すぐに退職されるケースが続けば、トータルで見ると人材紹介を活用した方が合理的だったということも珍しくありません。
人材紹介を利用する前に整理しておきたいポイント
人材紹介を最大限に活用するには、紹介会社に丸投げするのではなく、事前にある程度の情報を整理しておくことが重要です。
具体的には、以下の点を明確にしておくと、紹介会社とのコミュニケーションがスムーズになり、マッチする候補者に出会える確率が高まります。
- 求める人物像の整理(必須条件と歓迎条件の切り分け)
- 自社の魅力や訴求ポイント、候補者に伝えたいリアルな情報
- 選考フローとスケジュール感(どの程度の期間で内定まで進めたいか)
「採用の確度を上げたい・工数を減らしたい」なら、人材紹介という選択肢
ここまで見てきたとおり、求人広告と人材紹介にはそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらが絶対的な正解ということはありません。
ただし、以下のような状況であれば、人材紹介を主要なチャネルとして検討する価値は十分にあります。
- 過去に求人広告で成果が出なかった経験がある
- 専門性の高い職種や、責任の重いポジションを採用したい
- 採用担当者のリソースが限られており、これ以上工数を増やせない
求人広告と人材紹介のどちらを選ぶべきか迷っている段階であれば、まずは自社の状況と採用したいポジションについて、第三者の視点を交えて整理してみるのも一つの方法です。
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