特定技能2号を目指すには?|1号からの移行戦略

「特定技能2号を目指すには」というテキストの脇で腕を組む女性エージェント

特定技能2号は、日本で長く働き続けたい外国人人材と、現場を任せられるリーダーを育てたい企業にとって、極めて重要度の高い在留資格です。
本記事では「どうすれば2号になれるのか」「2号を前提にキャリアと人事をどう設計するか」という実務にフォーカスして解説します。
これを読めば、特定技能1号の方は「自分が2号になれる具体的な道筋」を、企業の方は「2号前提の育成・配置・評価の組み立て方」をイメージできるようになるかと思います。

特定技能2号への移行で、キャリアと生活はどう変わるのか

特定技能2号で大きく変わる「働き方」と「生活」の特徴

特定技能2号になると、まず大きく変わるのは「滞在期間」と「責任範囲」です。
特定技能1号は同一分野で通算5年が上限であるのに対し、特定技能2号は更新回数の上限がなく、長期在留が可能な在留資格です(在留ごとに更新は必要)。

仕事の面では、特定技能1号が「一定の技能を持つ即戦力」であるのに対し、特定技能2号は「熟練した技能を持ち、他の労働者を指導できる立場」として位置づけられます。

そのため、同じ工場や建設現場でも、1号の間は「割り当てられた作業を正確にこなすこと」が中心ですが、2号では「工程全体を把握して段取りを考える」「安全や品質を管理する」「新人や後輩に作業を教える」といった多くの役割を担うことが想定されています。

生活の面でも変化があります。
特定技能2号は「家族滞在」による配偶者・子どもの帯同が認められており、家族と共に日本で暮らす前提のライフプランを描きやすくなります。長期在留と家族帯同が可能になることで、日本での住宅の確保、子どもの就学、地域コミュニティとの関わりなど、ライフプラン全体を日本中心に組み立てやすくなります。

「仕事」「生活」の両面で日本に軸足を置けることが、特定技能2号の大きな特徴だと言えます。

永住申請・キャリアアップへの現実的なステップ

特定技能2号そのものは永住資格ではありませんが、長期の在留が可能で、安定した就労・収入・納税・社会保険加入の実績を積みやすいという点で、永住許可申請につながる土台を作りやすい在留資格です。

日本の永住許可では、原則として「一定期間以上の在留(通常10年程度、そのうち就労資格などで5年以上など)」「安定した生計」「税金・社会保険料の適正な納付」などが審査されます。

特定技能2号として継続的に就労し、社会保険への加入や税金の適正な納付を続けることで、これらの条件を満たすための実績を積み重ねやすくなります。

また、特定技能2号としての職務内容や評価が認められ、「技術・人文知識・国際業務」などの別の就労系在留資格に変更するケースや、管理職・専門職ポジションに進むケースもあります。

「特定技能2号=ゴール」ではなく、「特定技能2号=日本でのキャリアと生活の基盤」と捉えると、その先の永住申請や他在留資格へのステップも含めて、長期的なキャリアプランを描きやすくなります。

特定技能2号を前提にしたキャリア設計の考え方

1号の段階から「2号を目指す」べき理由
特定技能1号で働き始めた時点から、「2号を目指すかどうか」を早めに考えることが重要です。
特定技能1号は、同じ分野での通算在留期間が原則5年までと決められているため、2号への移行を視野に入れるかどうかで、日々の行動や選ぶ職場・業務が変わってきます。

2号を目指すのであれば、次の対策を行なっておいたほうが良いでしょう。

日本語力の向上
・各分野の試験や実務で必要なレベルまで、日本語読解・会話力を高める。
・特に漁業や外食など一部分野では、2号取得にあたって日本語能力試験(JLPT)N3合格が要件になっています。

現場でのリーダー経験
・新人への指導、簡単な段取り調整、安全確認の補助など、「人に教える・全体を見る」経験を意識的に積む。

評価試験への早期対策
分野ごとに異なる実施要領や出題範囲、サンプル問題をいち早く確認し、求められる知識や技能のレベルを正確に把握しておきましょう。1号の在留期間が終盤に差し掛かってから慌てても、実務経験の不足や試験の不合格により、2号への道が断たれてしまうリスクがあります。

1号を「5年の期限付き労働」という終点にするのではなく、2号を「永住やさらなるステップアップへのスタートライン」と再定義すること。これが、日本でのキャリアを成功させるための大前提です。

モデルケース:技能実習→1号→2号→永住

技能実習から特定技能1号、特定技能2号を経て永住権を取得するまでのステップと、各段階への移行に必要な条件を示したフロー図

もちろん全員がこのルートをたどるわけではありませんが、「いまどの段階にいるか」「次のステップに進むために何が必要か」を明確にする材料になります。

特定技能2号で働ける分野

現在、特定技能2号で働ける分野は、次の11分野です。

  • 建設
  • 造船、舶用工業
  • 工業製品製造業(機械金属加工・電気電子機器組立て・金属表面処理)
  • 自動車整備
  • 航空
  • 宿泊
  • 農業
  • 漁業
  • 飲食料品製造業
  • 外食業
  • ビルクリーニング

介護分野において、専門的な技術知識を有するものが取得でき、家族滞在が可能な在留資格として、在留資格「介護」があります。

分野別・特定技能2号で現場から求められる役割

建設分野:班長としての安全・工程管

現場で想定される主な役割の例:

  • 作業班の班長として、メンバーに作業内容・手順を指示する
  • ヘルメットや安全帯、保護具、工具などの使用状況を確認し、安全を確保する
  • 協力会社や他班と工程・作業エリアの調整を行う
  • 工程表に基づき、作業が遅れないよう進捗を管理する

特定技能1号の段階から、安全指導の補助や新人教育、簡単な工程調整などを任せてもらい、2号で必要となる視点と経験を積んでおくことをおすすめします。

製造分野(工業製品製造):ラインリーダーとしての品質管理

想定される役割の例:

  • 生産ラインの段取り替え、立ち上げの指示や調整
  • 不良発生時の原因分析と、是正、再発防止策の現場への展開
  • 生産計画に応じた人員配置、作業分担の調整
  • 新人や後輩への作業手順や品質基準、安全ルールの教育

こうした役割を担うためには、ライン全体の流れや生産指標(不良率・生産数など)を把握し、日本語で報告・相談ができることが重要になってきます。

外食や飲食料品製造分野:シフト管理と衛生、教育など

外食分野は、制度改正により特定技能2号の対象分野に追加されました。
​外食や飲食料品製造で特定技能2号を取得する人は、店舗や工場の運営面で中心的な役割を担うことが想定されています。

想定される役割の例:

  • 店舗や工場のシフト作成、人員配置の調整
  • ピーク時間帯におけるキッチンやホール全体の指揮
  • 新人スタッフやパート、アルバイトへのトレーニングとフォロー
  • 飲食料品製造における衛生管理、チェックリストの記録、トレーサビリティの確認

外食分野の特定技能2号では、日本語能力試験(JLPT)N3以上の合格など、日本語要件が明示されているため、日本語での指示出しやクレーム対応、報告ができることが前提になります。

農業や漁業、宿泊など他分野での共通点

各分野で業務内容は異なりますが、2号に共通して求められる能力は次のようなことが想定されます。

  • 現場全体の作業フローを理解していること
  • メンバーに作業を割り振り、指示を出せること
  • トラブル発生時に状況を判断し、必要に応じて上長と連携できること
  • 新人や後輩を育成する意識を持ち、実際に教えられること

自分の分野で2号になった場合の具体的な役割は、雇用企業の職務説明書(ジョブディスクリプション)などを確認すると、より明確になります。

特定技能2号評価試験に合格するためには

試験の基本構造を押さえることが大事

まずは、どの分野でも共通する“試験そのものの枠組み”を理解しておくことが大切です。

  • 特定技能2号評価試験は、建設、製造、自動車整備など、分野ごとに別々に実施される。
  • いずれの分野も「学科試験」と「実技試験」で構成される。
  • 試験問題は日本語で出題されるため、問題文を読み取り、条件や指示を理解できる日本語力が必要。
  • 出題範囲やサンプル問題、実施スケジュールなどの詳細は、分野別の公式サイトで公開されている。

主な分野の公式情報は次のとおりです。
建設分野 特定技能評価試験 公式サイト
製造(工業製品製造)分野 特定技能2号評価試験 概要
自動車整備分野 特定技能2号評価試験(試験一覧)

特定技能2号になるためには企業の援助が必要不可欠

特定技能2号人材の育成事例をみると、うまくいっている企業ほど、早い段階から従業員とキャリアの見通しを共有しているケースが多いです。

  • 入社時や1号への切り替え時に、「2号やその先のキャリアの可能性」を説明する
  • 半年〜1年ごとに面談を行い、「2号を目指したいか」「何に不安があるか」を確認する
  • 試験前には、学習状況・受験予定をヒアリングし、必要に応じてシフト調整や情報提供を行う

こうした対話を重ねることで、従業員は将来像を描きやすくなり、企業側も「どの人材をどのタイミングで2号へステップアップさせるか」を計画的に考えることができます。

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