採用媒体の選び方|自社に合った手法を見つけるためには

「採用媒体の選び方」というテキストの脇でノートPCとスマホで採用活動を行う笑顔の人事社員

「中途採用を強化したいが、採用媒体が多すぎてどれを使えばいいのか分からない」「予算が限られているので失敗したくない」
そんな悩みを抱えている中小・中堅企業の人事担当者・経営者の方は多いのではないでしょうか。
求人サイト、人材紹介、ダイレクトリクルーティング、求人検索エンジン、リファラル採用……選択肢は年々増えており、それぞれに特徴と向き不向きがあります。しかし、ただ媒体を比較するだけでは「自社にとって何が最適か」は見えてきません。
本記事では、各採用媒体の特徴と向き不向きを整理しています。「どの媒体が自社に合うのか」を明確にし、採用成功につなげるためのヒントとしてお役立てください。

なぜ「採用媒体の選び方」で失敗が起きるのか

採用媒体の選定でつまずく企業には、共通するパターンがあります。媒体の比較に入る前に、まずは「よくある失敗」の構造を抜け出しましょう。

とりあえず有名な求人サイトを選んでしまう

「知名度が高い媒体なら応募が集まるだろう」という思い込みで求人サイトを選ぶケースは非常に多く見られます。
しかし、大手の求人サイトには多数の企業が求人を出しており、知名度の低い中小企業の求人は埋もれやすいのが実情です。掲載したものの応募がほとんど来ないまま掲載期間が終了し、費用だけが発生するというケースも少なくありません。

コスト(掲載料・成功報酬)だけで判断してしまう

「掲載料が安いから」「成功報酬率が低いから」という理由で媒体を選ぶこともよくある失敗パターンです。採用において本当に見るべきは「1人あたりの採用単価」であり、掲載料が安くても採用に至らなければ採用単価は無限大になります。逆に、初期費用がかからない成功報酬型の媒体であれば、採用できなかった場合の費用リスクはゼロです。
費用の「安さ」だけでなく、「採用できなかったときのリスク」も含めて判断することが重要です。

自社のリソースや採用力を踏まえずに媒体を決めている

採用媒体にはそれぞれ「運用に必要な工数」があります。たとえばダイレクトリクルーティングは候補者一人ひとりにスカウト文を作成・送信し、返信があれば対応する必要があり、採用担当者の工数を大きく占めます。一方、人材紹介であれば候補者の探索・選定はエージェントが担います。自社の採用担当者が週に何時間採用業務に割けるのか、何名で対応できるのかといった「自社のリソース」を把握せずに媒体を選ぶと、運用が回らずに終わるリスクが高まります。

これらの失敗に共通するのは、「媒体起点」で選んでいるという点です。本来は「自社の状況起点」で媒体を選ぶべきであり、そのフレームをこの後の章で詳しく解説していきます。

各採用媒体の特徴と向き・不向き

まずは、中途採用で使われる主な採用媒体の特徴と、それぞれが向いているケース、向いていないケースを整理します。
全体像を把握したうえで、自社に何が合うか確認しましょう。

媒体費用体系必要工数母集団の特徴向いている企業
求人サイト掲載課金型中~高幅広い層にリーチ採用人数が多い・原稿作成に工数を割ける
求人検索エンジンクリック課金型求職者が能動的に検索運用ノウハウがあり求人票を頻繁に改善できる
人材紹介成功報酬型エージェントが厳選・推薦工数が限られる・経験者採用・少人数採用
ダイレクトリクルーティング成功報酬型または月額潜在層含む質の高い層スカウト文を作り込める・候補者対応に時間が割ける
リファラル / 自社サイト / SNS低コスト中~高社員やフォロワー経由社員数が多い・発信コンテンツが豊富
【主要採用媒体の早見表】

求人サイト(転職サイト)

求人サイトは、掲載料を支払って求人情報を公開し、幅広い求職者からの応募を待つタイプの媒体です。
多くの求職者が登録しているため母集団形成には向いていますが、掲載する企業数も多いため、知名度の低い企業の求人は埋もれやすいという側面があります。
向いているケースとしては、ある程度の母集団が見込める一般的な職種での採用や、採用人数が多い場合、原稿作成・応募者対応に工数をかけられる企業が挙げられます。一方、ニッチな専門職や経験者採用、採用担当の工数が極端に少ない場合には不向きです。

求人検索エンジン

求人検索エンジンは、インターネット上の求人情報を横断的に収集・表示するタイプの媒体です。
クリック課金型が主流で、入札単価の調整や求人票の改善など、運用型のノウハウが求められます。

運用型の広告に慣れており、求人票を頻繁に改善できる体制がある企業には効果的です。
一方、運用に手が回らない企業や、クリック単価の比較・入札調整のリソースがない場合は、費用対効果が悪化する可能性があります。

人材紹介(転職エージェント)

人材紹介は、採用企業の要件に合う候補者をエージェントが探して推薦する、成功報酬型の媒体です。
候補者の探索からスクリーニング、面談調整、条件交渉までをエージェントが担うため、採用担当者の工数を大幅に削減できるのが最大の特徴です。
向いているケースとしては、採用人数は多くないが1人の重みが大きい、採用ノウハウや時間が不足している、経験者や即戦力採用が中心といった企業が挙げられます。一方、大量採用や採用単価を極力抑えたい場合には不向きです。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、企業側から候補者に直接スカウトを送る「攻めの採用」手法です。
転職潜在層を含めた質の高い候補者にアプローチできる反面、スカウト文の作成や候補者とのやり取りに相応の工数がかかります。

スカウト文を作り込めるリソースがあり、採用担当が候補者対応に十分な時間を割ける企業に向いています。
採用担当が兼任で工数が取れない場合は、送信数が伸びず成果が出にくい点に注意が必要です。

リファラル採用 / 自社採用サイト / SNS採用

社員の紹介や自社サイト、SNSを活用した採用手法です。採用コストを低く押さえられるのが魅力ですが、仕組みづくり(社内告知、コンテンツ作成、運用体制)に時間がかかり、短期的な採用には向きません。
社員数が多く紹介が発生しやすい企業や、発信するコンテンツが豊富な企業には効果的です。一方、採用を急いでいる場合や、社内の協力体制を整える余裕がない場合には単体での活用は難しいでしょう。

媒体を選ぶ前に整理すべき「自社の採用条件」5つ

採用媒体の特徴を理解したところで、次に重要なのが「自社の前提条件」の棚卸しです。
以下の5つの観点を整理することで、自社に合った媒体が絞り込みやすくなります。

1. 採用したい人数と期間

「いつまでに何人必要か」は媒体選定の最も基本的な判断基準です。たとえば、3ヶ月以内に1~2名を確実に採用したいのか、半年かけて10名規模で採用したいのかによって、最適な媒体は大きく変わります。

2. 採用ターゲット

採用したい人材の年齢層、経験レベル、職種の希少性によって、「その人材がどこにいるか」が変わります。一般的な事務職や営業職であれば求人サイトにも多くの候補者がいますが、特定の専門職やマネジメント層になると、エージェントのネットワークやダイレクトリクルーティングが有効になるケースが増えます。

3. 採用にかけられる総予算と1人あたり採用単価の上限

総予算と採用予定人数から「1人あたりにかけられる上限」を算出しておくことが重要です。
採用単価の目安が明確であれば、掲載課金型と成功報酬型のどちらが自社に合うかの判断がしやすくなります。

4. 採用担当に割ける工数

採用担当者が週に何時間採用業務に充てられるか、何名体制で対応できるかは、媒体選定において見落とされがちな重要要素です。ダイレクトリクルーティングや求人検索エンジンは運用工数が高い一方、人材紹介は候補者対応以外の工数を大幅に抑えられます。

5. 自社の採用力

「採用力」とは、企業の知名度、魅力の言語化の有無、選考体制の整備度合いなどを総合したものです。採用力が高ければ求人サイトやダイレクトリクルーティングでも十分に成果が出ますが、採用力に課題がある場合は、エージェントが魅力を言語化して候補者に伝えてくれる人材紹介の活用が有効です。

以上の5つを簡単にチェックしてみてください。
たとえば「工数:少ない」「ブランド力:低い」「採用人数:少数」といった企業であれば、人材紹介を軸にした設計がフィットしやすい傾向にあります。
この自社条件を元に「どの媒体を選ぶか」を具体的に考えましょう。

予算と工数から考える採用媒体の選び方

自社の採用条件を整理したら、次は「採用単価」「工数」「採用難易度」の3つの軸で媒体を絞り込んでいきます。

①「採用単価の上限」と「想定年収」をセットで考える

採用媒体の費用体系は大きく「掲載課金型」と「成功報酬型」に分かれます。
掲載課金型は採用の有無に関わらず費用が発生するため、採用できれば単価を押さえられる可能性がありますが、採用できなかった場合は丸損になります。成功報酬型(人材紹介など)は、採用が決まったときのみ費用が発生するためリスクは低いものの、1人あたりの単価は想定年収の30~35%程度が相場となります。

自社の採用単価の上限と、採用したいポジションの想定年収をセットで考えることで、どちらの費用体系が自社に合うか判断できます。

②「工数」を軸に媒体を分類する

採用媒体は、運用に必要な工数で大きく2つに分類できます。
「低工数で回せる媒体」の代表が人材紹介です。候補者の探索やスクリーニング、面談調整をエージェントに任せられるため、採用担当者は面接と合否判断に集中できます。

「高工数だがコントロールしやすい媒体」には、ダイレクトリクルーティング、求人検索エンジン、SNS採用などが該当します。自社でコントロールできる範囲が広い反面、採用担当者のリソースがないと成果が出にくいという特徴があります。

③「採用難易度(人材の希少性)」で組み合わせを考える

採用媒体は1つに絞る必要はなく、「メイン+サブ」の組み合わせで考えるのが効果的です。
たとえば、一般的な営業職や事務職の採用なら、求人サイトをメインにしつつ求人検索エンジンをサブで活用するといった組み合わせが考えられます。一方、希少な専門職やマネジメント層の採用であれば、人材紹介をメインに、ダイレクトリクルー
ティングをサブとする組み合わせが有効です。

自社の状況を「採用単価 × 工数 × 採用難易度」の3軸で整理し、メインとサブの組み合わせをイメージしてみてください。

工数とリスクを抑えたい企業に人材紹介がフィットしやすい理由

ここまでのフレームで自社の状況を整理してみた結果、「工数が限られている」「採用が決まらなかったときのリスクを押さえたい」と感じた方も多いのではないでしょうか。そうした企業にとって、人材紹介は特に相性のよい媒体です。その理由を改めて整理します。

求人要件の整理から候補者推薦まで任せられる

人材紹介では、まずエージェントが企業の採用要件をヒアリングし、「どんな人材が必要か」を一緒に整理してくれます。そのうえで、要件に合う候補者をスクリーニングし推薦してくれるため、採用担当者は「候補者を探す」工程をほぼゼロにできます。また、面談調整や条件交渉のサポートも受けられるため、採用業務全体の工数を大幅に削減できます。

採用が決まるまでコストが発生しない(成功報酬型)

人材紹介の多くは成功報酬型を採用しており、候補者の推薦や面接の調整に費用はかかりません。実際に採用が決定したときのみ報酬が発生するため、「掲載したけれど応募がなく費用だけがかかった」というリスクがありません。予算に限りがある中小・中堅企業にとって、このリスク構造の違いは大きなメリットです。

中小・中堅企業でも「埋もれにくい」母集団にアクセスできる

求人サイトでは企業の知名度が応募数に大きく影響しますが、人材紹介ではエージェントが企業の魅力を整理し、候補者に直接伝える役割を担います。そのため、知名度が高くない中小・中堅企業でも、質の高い候補者に自社の存在を知ってもらえる可能性が高まります。

こんな企業には人材紹介を軸にした設計がおすすめ

以下のような特徴に当てはまる企業であれば、人材紳介を採用活動の軸にすることをおすすめします。

  • 採用担当の人数が限られており、採用業務に充てられる工数が少ない
  • 専門職やマネジメント層、経験者採用が中心
  • まずは1~2名、確実に採用したい
  • 採用が決まらなかったときの費用リスクを抑えたい
  • 自社の魅力の言語化や選考体制の整備に不安がある

自社に合う採用媒体を選び、必要に応じて専門家も頼る

まずは、自社の前提条件(採用人数、ターゲット、予算、工数、採用力)を整理することが媒体選定の第一歩です。
そのうえで、各媒体の特徴を理解し、「採用単価 × 工数 × 採用難易度」のフレームに当てはめて、メインとサブの組み合わせを設計しましょう。

「媒体選定に時間をかけられない」「どの媒体を組み合わせるべきか悩んでいる」という場合は、人材紹介会社に相談するのも有効な選択肢です。エージェントは採用要件の整理から候補者の推薦までを一貫でサポートしてくれるため、採用活動全体の効率化につながります。

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