2026年労働基準法改正案で見直し必須。介護夜勤シフトの「危ない3パターン」

「2026年労働基準法改正案で見直し必須。」というテキストに笑顔で手を添えるオフィスレディ

2026年4月1日に予定されている労働基準法の改正。
(修正:2026/01/16 労働基準法の大改正案は、2026年4月1日施行とはならず、2026年通常国会への法案提出が見送りとなりました。施行時期は現時点で未定であり、今後の国会審議の動向を継続的に確認する必要があります。)

介護現場にとって、これは単なるルール変更ではありません。これまで「現場の頑張り」で何とか回してきたシフトが、今後の法改正の内容次第では、「法律違反と評価されるおそれのあるシフト」とみなされる可能性も出てきます。

特に見直しが必須となるのが、負担の大きい夜勤シフトです。 今回は、現在検討されている労働基準法改正案が、今後の国会で成立・施行された場合にリスクが高いと想定される、介護現場に潜む3つの危ないパターンについて解説します。

今回検討されている労働基準法の大改正案で、導入が有力視されている3つの新基準

まず、検討されている改正案のポイントを整理しましょう。以下の3点が、今後法改正が実現した場合に、シフト管理の重要なチェックポイントになると想定されています。

労働基準法改正案で変わる「3つの新基準」

  • 勤務間インターバル制度の義務化(原則11時間の休息を確保)
  • 14日以上の連続勤務の禁止(14日間のうち少なくとも2日は休日を付与)
  • 法定休日の事前特定の義務化(「どの日が法定休日か」をあらかじめ決める)

① 【勤務間インターバル】「11時間」空けないと出勤禁止

仕事が終わってから、次の仕事が始まるまでに「最低11時間の休み」を確保するルールが、現状の努力義務から、原則11時間以上を確保する義務へ強化する方向で検討されています。

現場でのイメージ: 夜22時に仕事が終わった(遅番)なら、翌朝9時までは「絶対に働かせてはいけない時間」といった運用が求められる可能性があります。

ここが危ない: 「人が足りないから早番で」と朝7時に出勤させるのは、今後はルール違反の対象に。改正が実現した場合、これまで一般的だった「遅番→早番」という組み合わせは、勤務間インターバル違反に直結しやすい危険なパターンと見なされるおそれがあります。

② 【連続勤務の制限】「14連勤」という力技の禁止

「今月は前半だけ頑張って!」という無理が、働基準法改正により禁止される方向で検討されています。

現場でのイメージ: 「14日以上の連続勤務」を禁止し、2週間のうち少なくとも2日は休日を確保させる案が検討されています。

ここが危ない: 「本人が『働ける』と言っているから」という理由は通用しません。14日以上の連勤がシフト表にあるだけで、事業所側の管理責任が問われることになります。

③ 【法定休日の特定】お休みに「名前」をつける

施設は365日動いていますが、職員一人ひとりのシフト表では「どの日が法律で守られた休日か」をハッキリさせなければなりません。

現場でのイメージ: 改正案どおりに法定休日の事前特定が義務化されれば、「月に合計何日休みがあるか」だけを見る管理からの脱却が求められることになります。「Aさんの今週の“絶対の休み(法定休日)”は火曜日!」というように、1日ずつお休みに名前(ラベル)を貼る運用が求められます。

ここが危ない:もともと労基法上、法定休日に労働させた場合には35%以上の割増賃金が必要であり、法定休日が明確になることで、この割増賃金の支払いがより厳格に求められる可能性があります。
どの日が「特別な休み」か決まっていないと、後から「残業代の計算漏れ(=未払い)」を指摘されるリスクになります。

労働基準法改正後に一発レッドカードになりかねない「介護夜勤シフトの危ない3パターン」

危ないパターン① 「隙間を埋める善意」が違反を量産する

最も怖いのは、欠員が出た時の「つなぎ勤務」です。
急な休みが出た際、遅番上がりのスタッフに「悪いけど明日の早番、2時間だけ早く来てくれない?」と頼む。これは現場ではよくある光景ですが、今後、勤務間インターバル11時間が義務化されれば、こうした運用は「休息不足」として法令違反と評価される可能性が高いと考えられます。 短時間勤務者をパズルのように組み合わせる「緻密なシフト」ほど、この11時間の壁を突破しやすく、事業所も気づかないうちに違反を積み上げてしまうリスクがあります。

危ないパターン② 「あとで休ませればいい」という後回し運用

「今週だけ10連勤してくれたら、来週まとめて休んでいいよ」という“貸し借り”の調整が通用しなくなります。 法改正により連続勤務の上限規制が導入されれば、「2週間単位」での休日付与が重視されることになり、1ヶ月単位で帳尻を合わせる運用はリスクが高まります。さらに、「どの日が法定休日か」を決めていないと、もしその日に少しでも働かせた場合、「35%増しの手当」の未払いが発生します。これは単なるシフトミスではなく、労働基準監督署から見れば「賃金未払い」という重い指摘事項になります。

危ないパターン③ 「あの人なら大丈夫」という“超人”頼みの体制

夜勤を特定のベテランやリーダーに固定している事業所は、「組織としての持続可能性」を失う可能性が出てきます。 労働基準法改正が始まると、どんなにタフな職員でも、法律の枠を超えてシフトを入れることは物理的に不可能です。つまり、特定の職員が抜けた瞬間に、代わりの人を法律の枠内でアサインできず、シフト表が完成しなくなる可能性があるのです。 「一部の人に頼る体制」は、法改正の日を境に、一気に「現場崩壊のリスク」へと変貌しかねません。

労働基準法の改正を乗り切るための「3つの備え」

労働基準法改正は刻一刻と近づいています。施行時期は未定ですが「法案の方向性が固まってから考える」では、スタッフの離職や行政指導のリスクを十分に抑えられない可能性があります。
今から着手すべき対策は以下の3点です。

1. シフトの「見える化」とシミュレーション

現在のシフト表を、新基準(11時間インターバル・14連勤禁止)に当てはめてみてください。

  • 「遅番→早番」が何回発生しているか?
  • 特定の人に夜勤が集中していないか? まずは現状の「違反件数」を把握することがスタートです。

2. 「属人的な管理」からの脱却

「この人がいれば回る」という現場の善意に頼った管理は、法改正後はリスクでしかありません。

  • 誰でも夜勤・日勤を代われるような業務の標準化(マニュアル化)
  • 特定の職員に依存しない柔軟なワークシェアリング これらを進め、組織としての「体力」をつける必要があります。

3. シフト管理システムの導入・見直し

手書きやエクセルでの管理には限界があります。

  • インターバル不足を自動で警告する
  • 2週間スパンの連勤チェックを自動で行う このような「ルール違反を未然に防ぐシステム」の導入は、もはや福利厚生ではなく、事業継続のための必須投資といえます。

労働基準法改正は「人手不足」を「法令違反」に変える

2026年以降の労働基準法改正が介護現場に突きつける現実は、非常にシビアです。
「人がいないから、今は無理をしてもらうしかない」という言い訳は、もはや行政には通用しません。
勤務間インターバルや連勤制限を遵守しようとすれば、物理的に「今の人数ではシフトが埋まらない」という壁に直面する事業所が続出することが予想されます。

つまり、2026年以降の安定経営において、「労働基準法改正に耐えうる余裕を持った人員体制」の構築は、努力目標ではなく「最優先の経営課題」となります。

人材不足を「仕組み」で解決する前に、信頼できる「人」の確保を。

これまでは「急な休みが出ても、誰かが少し無理をすれば」なんとかなっていました。
しかし改正後は、どんなに本人が「働ける」と言っても、法律がそれを許しません。
「人が足りない=即、法令違反」という可能性になりうる状況がやってきます。

「法律だから守ってください」と言うのは簡単ですが、現場のやりくりがどれほど大変かは、私たちが一番よく分かっています。

だからこそ、私たちは単に「人を送り込む」だけではありません。
「この人が来てくれて助かった」「この施設でずっと働きたい」。
そうお互いが思えるような、相性ぴったりの国内人材をご紹介することにこだわっています。

労働基準法改正後を見据えて、今のうちから現場の負担を減らす準備を始めていきませんか?

まずは気軽にご相談ください

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まとめ:労働基準法改正は「選ばれる職場」になるチャンス

今回の労働基準法改正は一見、厳しい規制に見えます。
しかし、これを機に「過酷な夜勤シフト」を改善できれば、それは離職率の低下や、採用力の強化に直結します。

「法律を守るため」だけでなく、「大切なスタッフを守り、長く働いてもらうための改革として、今からシフト管理のあり方を見直していきましょう。

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