育成就労の申請とは?受け入れ企業がやることをわかりやすく解説
育成就労は、技能実習に代わる新しい制度として2027年4月1日から始まります。
4月1日から外国人材を受け入れるには、受け入れ企業が2026年11月1日までに「育成就労計画」の認定を申請する必要があります。
申請の受付は2026年9月1日に始まっています。
ただし、この申請は受け入れ企業だけでは進められません。
企業と一緒に外国人材を支える団体(監理支援機関)が許可を申請していなければ申請を受け付けてもらえず、団体の許可や、海外で人材を募集して日本へ送り出す機関(送出機関)の認定が下りなければ、計画は認定されないからです。
この記事では、育成就労の申請までの流れと期限、手数料、申請までに受け入れ企業がやっておくことを説明します。
そもそも、育成就労の「申請」とは?
育成就労の「申請」とは、育成就労で外国人材を受け入れたい企業が、受け入れる外国人1人ごとに「育成就労計画」を作り、外国人技能実習機構に認定してもらうための手続きです。正式には「育成就労計画の認定申請」といい、認定を受けないと外国人材を受け入れることはできません。育成就労計画には、受け入れた人に身につけてもらう技能や日本語の目標、仕事の内容などを書きます。
育成就労の申請が受け入れ企業だけでは完結しない理由
受け入れ企業が育成就労計画の認定を受けるには、組む団体(監理支援機関)の許可と、送出機関の認定が必要です。
施行日前申請では、監理支援機関が許可を申請済みであれば、許可が下りる前でも育成就労計画を申請できます。
また、送出機関が暫定送出機関リストに載っていれば、その送出機関を記載して申請できます。
ただし、計画が認定されるまでには、監理支援機関の許可と送出機関の正式な認定が必要です。
計画が認定されたあとも、在留資格認定証明書の交付申請は監理支援機関が行います。
受け入れ企業の準備だけでは、外国人材の来日まで進められません。
育成就労計画の認定までに関わる3つの手続き
① 監理支援機関の許可
監理支援機関の許可とは、外国人材を受け入れる会社を手続きや受け入れ後の相談などで手伝う団体(監理支援機関)が、国から受ける許可です。技能実習で受け入れ企業を手伝っていた「監理団体」も、育成就労では監理支援機関の許可を別に受ける必要があります。組む団体が監理支援機関の許可を申請していないと、会社は育成就労計画の申請を出せません。制度が始まる前に出す申請では、そのような団体と組む計画は受け付けられず、申請書類一式がそのまま返却されます(外国人技能実習機構「よくあるご質問(育成就労計画の認定申請関係)」No.1-10)。
団体は許可を申請するとき、決算書など団体の経営状況がわかる書類、責任者の履歴書や講習の修了証、取引する送出機関との契約書などを出します(出入国在留管理庁「第5章 監理支援機関の許可等」)。
② 送出機関の認定
外国人材の出身国で、日本で働きたい人を集めて日本へ送り出す会社を「送出機関」といいます。育成就労では、その国の政府から認められた送出機関でなければ、外国人材を日本へ送り出せません。送出機関が自分の国の政府にどんな書類を出すかは国ごとに決まっていて、日本側では公表されていません。
日本側では、組む団体が監理支援機関の許可を申請するときに、取引する送出機関の会社概要や、外国人材から受け取る費用の決め方がわかる書類などを出します(出入国在留管理庁「第5章 監理支援機関の許可等」)。
③ 育成就労計画の認定
受け入れ企業が自社の名前で出す、この記事で解説している申請です。計画は、組む団体(監理支援機関)の助言を受けながら作ります(出入国在留管理庁「第4章 育成就労計画の認定等」)。
計画が認定されたあと
計画が認定されると、組む団体(監理支援機関)が認定の通知書を添えて、地方出入国在留管理局に「在留資格認定証明書」の交付を申請します。交付された証明書は団体から本人に送られ、本人が現地の日本大使館などでビザを取って入国します(出入国在留管理庁・厚生労働省「育成就労制度 運用要領」第2章第2節)。
申請までに、何をどの順番で進めるの?
育成就労計画は会社ごとではなく、受け入れる外国人1人につき1件作ります。
そのため、申請の前に来日する人を決め、本人の書類をそろえておく必要があります。申請までのおおまかな流れは次のとおりです。
いつまでに申請すればいいの?
育成就労計画の申請は、原則として育成就労を始める予定日の7か月前から5か月前までに出します。入管庁は、審査にかかる時間などを考えてこの期間を定めたと説明しています(出入国在留管理庁「第4章 育成就労計画の認定等」)。早すぎても遅すぎても申請できず、始めたい日から逆算して申請期間が決まります。
① 2027年4月1日から始めるなら、申請は11月1日まで
育成就労制度が始まるのは2027年4月1日です。その7か月前は2026年9月1日、5か月前は11月1日になります。申請の受付は9月1日に始まっているので(出入国在留管理庁「育成就労制度に係る施行日前申請」)、制度の初日から受け入れたい会社が申請できるのは、9月1日から11月1日までの2か月間です。
② 11月1日を過ぎたら、開始日が後ろにずれる
申請期間は開始したい日から逆算して決まるので、11月1日を過ぎても受け入れが1年先になるわけではありません。始めたい日ごとの申請期間は、次のとおりです。
| 育成就労を始めたい日 | 申請できる期間(7か月前〜5か月前) |
|---|---|
| 2027年4月1日(制度の開始日) | 2026年9月1日〜2026年11月1日 |
| 2027年5月1日 | 2026年10月1日〜2026年12月1日 |
| 2027年6月1日 | 2026年11月1日〜2027年1月1日 |
| 2027年7月1日 | 2026年12月1日〜2027年2月1日 |
| 2027年8月1日 | 2027年1月1日〜2027年3月1日 |
この表は、外国人技能実習機構「よくあるご質問(育成就労計画の認定申請関係)」No.1-4の「開始予定日の7か月前から5か月前まで」という決まりを、それぞれの開始日に当てはめて計算したものです。同じ質問では、2027年6月1日に始める場合の申請期間を「2026年11月1日から2027年1月1日まで」と例示しています。
たとえば2026年12月1日に申請する場合、始められるのは原則として2027年5月1日から7月1日の間です。申請が遅れた分だけ、開始日が後ろにずれると考えてください。
③ 施行日前申請に間に合うのは、8月開始ごろまで
制度が始まる前に出す「施行日前申請」の受付は2027年3月31日までです(外国人技能実習機構「よくあるご質問(育成就労計画の認定申請関係)」No.1-2)。早見表のとおり、施行日前申請に間に合うのは2027年8月1日ごろまでに始める場合です。4月以降の申請の時期や手続きの細かな決まりは、まだ公表されていません(2026年10月6日時点)。
どの月に始める場合も、申請までには来日する人の募集と選考、現地での健康診断、履歴書の取り寄せ、送出国によっては推薦状の取得までを終えておく必要があります。制度の始まる早い時期から外国人材を迎えたい会社は、組む団体探しと社内の準備を今から始めましょう。
申請の手数料はいくら?
育成就労計画の認定手数料は、計画1件につき6,100円です(出入国在留管理庁「第4章 育成就労計画の認定等」)。計画は外国人1人につき1件なので、3人受け入れる場合は18,300円になります。ただし、これは申請の手数料だけです。実際に外国人材を受け入れるには、組む団体に払う費用や渡航費などもかかります。金額は団体や送出国によって違うので、組む団体を決めるときに合わせて確かめておきましょう。
いま、何をしておけばいい?
育成就労での受け入れを検討している会社が、申請の前に進めておくとよいことは次の4つです。
① 組む団体の手続き状況を確かめる
組む団体と送出機関の準備は、会社だけでは進められません。組む予定の団体が監理支援機関の許可を申請しているか、その団体がどの国のどの送出機関と取引しているか、その送出機関が送出国の政府に認められているかを、早めに確認しておきましょう。送出機関は会社が自分で探すのではなく、組む団体が契約している機関の中から選びます。
② 社内の担当者を決め、養成講習を受ける
受け入れ企業は、育成就労責任者、指導員、生活相談員の3つの役を社内に置き、それぞれ養成講習を受けておく必要があります。誰が担当するかを早めに決め、講習を受ける時間を確保しておきましょう。
③ 分野別の協議会に加入する
受け入れ企業は、受け入れる分野の分野別協議会への加入が義務付けられていて、加入を証明する書類を申請に添えます(外国人技能実習機構「育成就労計画認定施行日前申請」)。団体や送出機関の手続きを待たずに、会社が先に進められる準備の一つです。
ただし、協議会の加入手続きが始まっているのは、介護、ビルクリーニング、リネンサプライ、工業製品製造業、造船・舶用工業、自動車整備、鉄道、林業、木材産業の9分野で、それ以外の分野は準備中です。分野ごとの審査基準が公表される前や、必要な書類がないまま申請した場合は、追加で書類を出すまで審査が保留されます(出入国在留管理庁「育成就労制度に係る施行日前申請」、2026年10月6日時点)。自社の分野の公表状況を確かめておきましょう。
④ 始めたい月から逆算して、採用計画を立てる
申請は開始予定日の7か月前から5か月前までで、その時点で来日する人が決まっている必要があります。受け入れたい月を決めたら、そこから申請の時期、さらにその前に必要な募集と選考の時期を逆算して、採用計画に組み込みましょう。
よくある質問
Q1.育成就労はいつから始まりますか?
A. 育成就労は2027年4月1日に始まります。4月1日から外国人材を受け入れるには、2026年11月1日までに育成就労計画の認定を申請する必要があります。
Q2.育成就労の申請はいつからできますか?
A. 育成就労計画の認定申請は、2026年9月1日から受け付けています。申請できるのは、原則として育成就労を始める予定日の7か月前から5か月前までです。
Q3.2027年4月1日から受け入れるには、いつまでに申請が必要ですか?
A. 2026年11月1日までに申請が必要です。2027年4月1日の5か月前が11月1日にあたるためです。11月1日を過ぎた場合は、申請が遅れた分だけ開始日が後ろにずれます。
Q4.育成就労計画は誰が作るのですか?
A. 受け入れ企業が作り、受け入れ企業の名前で申請します。計画は、組む団体(監理支援機関)の助言を受けながら作ります。
Q5.育成就労計画の認定手数料はいくらですか?
A.計画1件につき6,100円です。計画は外国人1人につき1件なので、受け入れる人数分の手数料がかかります。
Q6.会社だけで申請できますか?
A.監理支援機関を通じて受け入れる場合、会社だけでは申請できません。組む団体が監理支援機関の許可を受けられなかったり、送出機関が送出国の政府に認められなかったりすると、会社の計画も認定されません。
まとめ
育成就労の申請は、会社の準備だけでは完結しません。組む団体、送出機関、そして来日する本人の準備がそろって初めて、1人の外国人材を迎えられます。受け入れたい月が決まっているなら、そこから逆算して今のうちに動き始めましょう。
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